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CONTENTS

公開質問状(埼玉県警察 その2)


 埼玉県浦和警察署における告訴状の受理の拒否について、平成28年9月14日、埼玉県警察警務部監察官室に対して公開質問状を送付しました。

 質問及び回答の内容を当ページにて公開致します。


公開質問状
(埼玉県浦和警察署の告訴状受領拒否について)


  平成28年9月14日  

  
埼玉県警察警務部監察官室 御中

質問者
  651-2242
  兵庫県神戸市西区井吹台東町6丁目
  27番地の224
   センチュリー行政書士・社労士事務所
              代表 井上善博
      電話・FAX 078-965-6275


1 質問の趣旨

 埼玉県浦和警察署の下記所為は,
  犯罪捜査規範63条1項,
  裁判例(東京高裁昭和56年5月20日),
  平成15年4月1日付通達甲(副監.刑.2.資)第15号,
  平成13年4月13日付警察庁丙人発第115号
等に照らし,明らかに不当と思われるので,埼玉県警察警務部監察官室の見解をご回答願いたく,質問をおこなうものである。

 なお,本件における埼玉県浦和警察署の一連の言動から,当方における埼玉県警察への信用が皆無であることから,当該質問は公開質問の形式によるものとし,当該質問のやりとりの内容(回答なき場合はその旨)をインターネットにおいて,
     ウェブサイト
     http://century-office.asia/koukai_situmonjyou_saitamakenkei02.html
     ブログサイト
     http://plaza.rakuten.co.jp/koukaishitumon05/
にて公開するものとする。

 ※当質問状に対する回答は,本書面到達後1ヶ月以内におこなわれることを求めることとする。



2 質問の原因および内容

(1)
 平成28年9月2日,浦和警察署員の矢部および中里は,窃盗罪にかかる告訴状を提出しようとした告訴人・****に対し,告訴の受理を拒み,もって告訴人の刑事訴訟法第230条において保証された「告訴する権利」の行使を妨害した。



(2)
 そこで質問者は,埼玉県警察警務部監察官室に対し,次の事項について質問する。

@
 下記「4 経緯」および「5 当方の見解」の内容をご確認いただいた上で,平成28年9月2日に告訴人が提出しようとした告訴状を浦和警察署が拒否した事実について,正当と考えるか否か

A
 上記2(2)@の回答について,もし「正当」と考える場合には,その合理的および法的な根拠



3 受理を拒否された告訴の告訴事実

 被告訴人は,平成28年2月21日から同年3月29日の間に,埼玉県さいたま市****に所在する「****事務所」において,告訴人から,時価1,500円のUSBメモリースティック「ソニーUSM16XL」1個を窃取したものである。



4 経緯

(1)
 告訴人は平成27年11月**日に,それまで勤務していた職場を定年退職し,その後,埼玉県さいたま市****に所在する「****事務所」においてボランティアで仕事をしていた。

(2)
 告訴人は,平成28年2月21日に,埼玉県浦和市の電気店でUSBメモリースティック「ソニーUSM16XL」2個を1個1,500円で購入し,上記4(1)の仕事場で使用するために当仕事場に持参した。

(3)
 しかし,平成28年2月21日から同年3月29日の間に,告訴人専用の机の引き出しに入れておいた,当該USBメモリースティックの1つが無くなっていることに気づいた。

(4)
 平成28年7月6日に仕事場で会議があり,当該所在不明となっているUSBメモリースティックについて,同僚であった被告訴人に話したところ,「持っている」と答えた。
 しかし,返却するような意思は全く見られなかった。

(5)
 平成28年8月5日に仕事場で会議があり,被告訴人に返却するよう話したところ,被告訴人は告訴人に対し,「名誉棄損で告訴する」と開き直り,結局,メモリーステックは返却されなかった。

(6)
 そのため告訴人は,直ちに埼玉県浦和警察署に赴き,相談した。
 これについて浦和警察署から被告訴人に問い合わせがなされたところ,被告訴人は「一週間前に返した」と虚偽の回答をおこなった。

(7)
 平成28年8月16日に告訴人が再び浦和警察署に赴いたところ,浦和警察署員の中里が対応し,
「相手は,共用部にあったので使ったと言っている」
「相手が故意に盗ったということを証明できなければ事件ではない」
との旨を告げた。

(8)
 結局,その後も被告訴人から本件メモリースティックは返却されないままであったため,告訴人は平成28年9月2日に,浦和警察署に赴き,告訴状を提出しようとしたところ,中里および矢部が対応。
 矢部は,
「窃盗罪は親告罪ではないので告訴状は必要ない。よって告訴状は受け取れない」
との発言を繰り返すのみで埒があかず。
 結局,矢部らは告訴状の受理を明確に拒否し,告訴人は告訴状を持ち帰ることとなった。

(9)
 そのため,告訴人は平成28年9月9日付けで,埼玉公安委員会に対し,苦情申出書を提出した。
 理由は以下の通り。

【理由】

 浦和警察署員は,告訴の受理を拒否する理由として,

(ア)
「被告訴人は,共用部にあったので使ったと言っている」ことを取り上げ,「被告訴人が故意に盗ったということを証明できなければ事件ではない」とし,また,

(イ)
「窃盗罪は親告罪ではないので告訴状は必要ない。よって告訴状は受け取れない」との理由により,告訴の受理を拒否したものである。

 しかし,

@
(ア)の
「相手は,共用部にあったので使ったと言っている」ことを取り上げ,「相手が故意に盗ったということを証明できなければ事件ではない」としたことについては,

(a)
 本件メモリースティックは,告訴人専用の机の引き出しにしまわれていたもので,共用部に所在していたものではない。

(b)
 また,上記4(4),(5)のとおり,平成28年7月6日および同年8月5日に告訴人は本件メモリースティックが自己の所有物であり返却するよう求めているのであるから,もし,被告訴人が本件メモリースティックを共用物だと信じて使用したのであれば,直ちに返却したはずである。
 しかし,その後も被告訴人は告訴人に返却していないことから,被告訴人は本件メモリースティックを永続的に自己の占有下に置く意図で窃取したことは明らかである。

(c)
 仮に被告訴人が本件メモリースティックを共用物と信じていたとしても,共用物の使用の際には,自己の所有物ではない以上,元の場所に返却する必要があり,これを返却することなく自己の占有下に置き続ける行為は窃盗罪に該当するものである。
 内心の構成要件と,結果の構成要件が一致する範囲で犯罪の成立を認めるとする判例の立場に立てば,「返却することなく永続的に自己の占有下に置く意図を持って共用物と信じたメモリースティックを窃取し」「結果的に告訴人の所有物であるメモリースティックを窃取した」という被告訴人の行為は,たとえ明確に告訴人から窃取する意図がなかったとしても,告訴人に対する窃盗罪を構成するものである。


 したがって,浦和警察署員・中里の当該主張は失当である。


A
(イ)の
「窃盗罪は親告罪ではないので告訴状は必要ない。よって告訴状は受け取れない」との
理由により,告訴の受理を拒否したことについては,

 告訴は親告罪でなくともおこなえることは,およそ警察官であれば周知の事実である。
 親告罪でなくとも,警察が捜査をおこなおうとしない事件について,被害者が告訴するのは当然のことであり,また,これによってなされた告訴を正当な理由なく拒否することは許されるものではない。

 犯罪捜査規範第63条においては,告訴があった場合にはこれを受理しなければならない旨が規定されており,また,警察機関の告訴の受理義務について示した東京高裁昭和56年5月20日判決においては「記載事実が不明確なもの,記載事実が特定されないもの,記載内容から犯罪が成立しないことが明白なもの,事件に公訴時効が成立しているもの等でない限り,検察官・司法警察員が告訴・告発を受理する義務を負う」旨が示されていることから,原則として警察機関は告訴の受理を拒否できないものである。
 そして本件告訴状には犯罪の概要を示す「告訴事実」,内容が把握しやすいように時系列的に記載された「経緯」,犯罪性としての「構成要件該当性」「違法性」「有責性」,結果無価値論に合致することを示す「法益侵害性」などが明記されており,「処罰の意志」も明確に記載されていることから,“記載事実が不明確なもの”,“記載事実が特定されないもの”,“記載内容から犯罪が成立しないことが明白なもの”には該当せず,また“事件に公訴時効が成立しているもの”でもないことから,本件告訴状を受理しない理由は存在しない。

 にもかかわらず浦和警察署員・矢部は,これらの裁判例や規範で示されている告訴受理の取り扱いと明らかに異なる対応をおこない,少なくとも「犯罪が成立しないことが明白」とは到底言えるものではない本件について告訴の受理を拒否したものであり,許されるものではない。

 したがって,浦和警察署員・矢部の当該主張は失当である。



5 当方の見解 

 上記4(9)のとおり,浦和警察署員の主張は,明らかに不当なものであり,通常人であれば明らかに無理のある,強引な理由付けであることは容易に認識できるものである。
 これは,浦和警察署員が単に「自らの仕事を増やしたくない」という職務怠慢による告訴状受理の拒否と考えるのが自然である。

 東京高裁昭和56年5月20日判決においては「記載事実が不明確なもの,記載事実が特定されないもの,記載内容から犯罪が成立しないことが明白なもの,事件に公訴時効が成立しているもの等でない限り,検察官・司法警察員が告訴・告発を受理する義務を負う」旨が示されており,犯罪捜査規範63条1項や平成15年4月1日付通達甲(副監.刑.2.資)第15号においても当該裁判例を踏襲して告訴の受理について徹底した指導がなされているところであるが,浦和警察署はこれらの裁判例や規範で示されている告訴受理の取り扱いと明らかに異なる対応をおこない,少なくとも「犯罪が成立しないことが明白」とは到底言えるものではない本件について告訴の受理を拒否したものであり,当該浦和警察署の行為は許されるものではない。
 そして,当該浦和警察署の職務怠慢行為により,告訴人には刑事訴訟法第230条において保証される「告訴する権利」の行使を妨害されるという重大な法益侵害が発生しているものである。


 以上の通り,浦和警察署には告訴人の告訴状を受理する義務があり,これを明確に拒否した浦和警察署員の行為は明らかに不当である。
 ついては,本質問状により,埼玉県警察警務部監察官室の見解を上記2(2)のとおり求めるものである。

以 上  



現在、回答待ち。




平成28年9月27日
 埼玉県警察本部監察官室から電話連絡有り。


平成28年9月27日、埼玉県警察本部監察官室から電話連絡有り。
「今回、告訴人は公安委員会に対して苦情申立をおこなっていることから、公安委員会の調査結果を踏まえ、適切に対処したい」
とのこと。


【今後の方針】
 
 公安委員会に対して埼玉県警がどのような回答をおこなうか、またこれに対して監察官室がどのような対応をおこなうのかを確認することとしたい。


平成29年1月20日
 告訴人宛に浦和警察署から電話連絡あり


平成29年1月20日、告訴人宛に浦和警察署・中里から電話連絡あり、
「近日中に被告訴人を呼んで話を聞く」
とのこと。


【当方の見解】

 監察官室から然るべき対応がなされたことが考えられ、とりあえず浦和警察署が動くことが確認できたことから、事態は好転したものと思われる。
 今後の浦和警察署の適切な対応に期待したい。

 本件については、以前の浦和署の対応からは考えられない展開となったことから、監察官室などから何らかの働きかけがなされたものと思われる。
 本件について尽力いただいた埼玉県警察の方々に感謝したい。



                  

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